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骨粗鬆症のサプリメント

骨粗鬆症予防にサプリメントは効果的?

「骨粗鬆症予防にサプリメントは効果がありますか?」
とよく聞かれますが、当院「むつみクリニック」では、
サプリメントの種類や状況によります」
とお答えしています。

サプリメントは、「補足」や「補助」という意味で、食事では摂取できない栄養素を補充することが本来の役割です。

骨にとって大切な栄養素には、

  • タンパク質
  • カルシウム
  • ビタミンD
  • ビタミンK
  • マグネシウム

などがあります。
こうした栄養素が足りていないときは、サプリメントが有効です。

① 加齢とともに肉や魚を食べる量が減ってきた場合

この場合は、タンパク質やアミノ酸のサプリメントが有用です。

② 乳製品が苦手だったり魚を食べない場合

この場合は、カルシウムのサプリメントが必要です。

③ 日光に当たらない生活をしている場合

この場合は、ビタミンDのサプリメントの服用が望ましいです。
特にビタミンDは、「日本人の80%以上が不足していること」が分かっています。

十分に足りている栄養素ならサプリ摂取の意味がほとんどない

十分に足りている栄養素については、サプリメントを用いてもほとんど意味がありません。

テレビCMなどでよく流れている健康食品や、体験談が中心のサプリメントに関しても、注意が必要です。
テロップの小さな文字で「効果には個人差があります」と申しわけなさそうに記載されていたりしますが、元気でいきいき過ごす快活な人物像や、期間限定のキャンペーンに購買意欲をかきたてられないようにしましょう。

納得できる医学的エビデンスと信頼できるデータがあれば、試してみても良いと思います。

そもそもサプリメントとは? 薬と違う?

サプリメントとは、健康食品の1つです。
対して薬とは、疾患の治療/予防に用いるものです。健康食品とは違う位置づけですので、全く違うものといえます。

2015年に日本で始まった「機能性表示食品制度」は、サプリ分野において先をゆくアメリカのDSHEA (栄養補助食品健康教育法) をもとに作られました。

健康食品が「健康の保持増進を目的とした食品全般」を指すのに対して、サプリメントは「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」のことを一般的に指します。

また、健康食品は、「特定の機能の表示などができるもの (保健機能食品)」とそうでないもの (いわゆる健康食品) に分けられます。

保健機能食品いわゆる健康食品
特定保健用食品 (トクホ) 、栄養機能食品、機能性表示食品。機能性食品、栄養補助食品、サプリメントなど。

サプリメントでも、1日に必要な栄養成分 (ビタミンやミネラルなど) の補給のために、科学的根拠が確認された栄養成分が一定以上含まれていれば、栄養機能食品と表示されます。

また、サプリメントには、役割や目的によって色々な分類があります。
詳しくは、こちらの「骨粗鬆症と栄養」ページでも解説しています。

骨粗鬆症のサプリメントに副作用はある?

骨の成分は、主にタンパク質とカルシウムで構成されています。
そのため、タンパク質、カルシウム、さらにはビタミンDを十分摂取することは、骨を健康かつ丈夫に保つために重要です。

こうした栄養素を、栄養バランスのとれた食事から摂取することができれば理想的なのですが、足りない成分をサプリメントで補うことで、骨粗鬆症を予防することが可能です。

しかし、サプリメントを服用する際には、副作用や摂取量に注意が必要です。
サプリメントを過剰に摂取した場合、腎機能への影響や血中濃度の上昇などをもたらす事があります。

サプリメントだけに頼るのではなく、バランスの良い食事と、個々の年齢や身体能力に合った定期的な運動習慣を継続的に行いましょう。

時には自身の生活スタイルを見直すとともに、信頼できるかかりつけ医に相談して、定期的なチェックやアドバイスを受けることが大切です。
必要に応じて、採血で各種栄養素の血中濃度を測定したり、肝臓や腎臓の数値を調べたうえで、身体診察や問診を併せることで、体に不具合がないかどうかを評価することが可能です。

サプリメントの摂取は自己判断で継続せず、飲みっぱなしにはくれぐれも注意してください。

おすすめの骨粗鬆症サプリメント

① カルシウムのサプリメント

カルシウムは、骨を作るための重要な材料です。
骨形成を増やすには、十分な量のカルシウムが食事から取れていることが大切です。

しかしながら、乳製品/牛乳/魚などが苦手もしくは受けつけなかったり、食事量が少なかったりすれば、1日の必要カルシウム量に足りない結果となります。

日本人の1日のカルシウム摂取量は「約500mg」と報告されていますが、骨粗鬆症の治療においては「800mg」のカルシウム摂取量が推奨されています。

もちろん、病院やクリニックでカルシウム薬を処方してもらうことでも良いのですが、サプリメントを服用して不足分を補うことも可能です。
ただし、他のサプリでも同様なのですが、漫然と服用するのではなく、かかりつけ医に定期的にチェックしてもらうことが望ましいです。

高用量のカルシウムを摂取することによって、急激にカルシウム濃度が上昇してしまうおそれがあります。
そのため、サプリメントやカルシウム薬は1日に500mg以上摂取しないよう注意しましょう。

また、ビタミンDと併用する場合にも、高カルシウム血症に注意が必要です。

② ビタミンDのサプリメント

ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を調節する重要なビタミンです。
ビタミンDが極端に不足すると、骨の石灰化障害を引き起こし、骨軟化症、子どもにとっては「くる病 (くるびょう)」を引き起こします。

血液中のビタミンDの多くは、皮膚において紫外線の作用を受けて合成されます。
そのため、食事におけるビタミンD摂取とともに、日光浴を十分に行う必要があります。

骨粗鬆症の方は、大部分が女性です。
ただでさえ、閉経後の女性ホルモンの低下によって骨がスカスカになりやすいうえ、美肌や日焼け対策を徹底するあまり、十分に日の光を浴びないことを選択しがちです。
※小学生くらいから日焼け対策を徹底されてきた方もいるようです。

上記に加えて、食事が偏っていたりすると、容易にビタミンD不足となってしまいます。

また、(医療機関でビタミンD製剤を処方されている場合は大丈夫ですが) ビタミンDには、

  • 活性型ビタミンD
  • 非活性型ビタミンD

この2種類があることを知っておきましょう。
自分の体内に取り入れるものをしっかりと理解しておくことは、大切なことです。
そして、腎機能に問題がなければ、この「活性型ビタミンD」を内服することをおすすめします。

医療機関で薬としてビタミンDを処方してもらうことに抵抗があったり、病院にかかる時間的余裕がない方であれば、ドラッグストアや薬局で「DHC」などのビタミンDサプリを購入して飲んでも良いでしょう。
しかし、活性型ビタミンDは医薬品でしか取り扱っていないため、非活性型のビタミンDとなる点に注意が必要です。
そのため、骨粗鬆症の予防を目的として市販のビタミンDサプリを摂取する効果は、医療機関で処方される薬ほどは期待できないと考える必要があるでしょう。

高齢になると、ビタミンDが不足しがちになります。
これは、食事からの摂取量が減ることと、室内に閉じこもりがちになるために紫外線によるビタミンDの合成が低下することが原因です。
それに加えて、合成機能そのものが低下することも関係します。

ビタミンDが不足していると、たくさんのカルシウムをとっても十分に吸収されないということに陥るため、常にビタミンDとカルシウムをセットで取り入れることを心がけてください。
サプリメントでも、ビタミンDとカルシウム両方を含んでいるものがあれば理想的です。

厚生労働省は、ビタミンⅮの摂取目安量を成人男女ともに「1日5.5mμg」としています。
食事で摂取する場合は、以下のような食材を積極的に取り入れてみてください。

ビタミンDを多く含む食品
いわし、さんま、さばといった青魚やきのこ類。

たとえば、めざしなどを丸ごと食べると、ビタミンDとカルシウムが同時に摂れますので、効率の良い食事ができます。

③ ビタミンKのサプリメント

天然のビタミンKには、

  • ビタミンK1
  • ビタミンK2

の2種類が存在します。

基本的にビタミンK1が緑黄色野菜などの食品から摂取されるのに対して、ビタミンK2は腸内細菌によって合成されるか、あるいは納豆などの食品から摂取されます。

また、ビタミンK1が不足すれば、ビタミンK2も不足することになります。

骨に含まれるタンパク質で最も多いものが「コラーゲン」ですが、その次に多いのが「オステオカルシン」です。
このオステオカルシンというものは、カルシウムが骨に沈着する際に働く重要なタンパク質です。

そしてビタミンKは、オステオカルシンの成熟過程に必要な栄養素。
つまり、ビタミンKが不足すると、骨が弱くなり骨折が多くなるのです。

緑黄色野菜や納豆に含まれるビタミンKは、「骨質を向上させる」という報告があり、さらに骨粗鬆症ガイドラインでも、以下のような位置づけを受けています。

項目ビタミンKの有効性エビデンス (根拠) レベル
骨密度わずかだが、腰椎骨密度の上昇効果がある。B (少数例に対してエビデンスあり)
椎体骨折抑制するとの報告あり。B (少数例に対してエビデンスあり)
非椎体骨折抑制するとの報告あり。B (少数例に対してエビデンスあり)
大腿骨近位部骨折抑制するとの報告なし。C (エビデンス無し)

食事でビタミンKが足りていない場合、サプリメントで補うことを心がけましょう。

④ その他に推奨されるサプリメント (ビタミンB6 / ビタミンB12 / 葉酸 / マグネシウム)

骨粗鬆症治療ガイドラインでも述べられているように、ビタミンDとビタミンKは、骨粗鬆症治療において不可欠です。
ビタミンDは、高齢者において特に不足しがちな栄養素です。
ビタミンKは、緑の葉の野菜や納豆に多く含まれており、これらの摂取頻度を知ることでおおよその充足度を推定することができます。

ビタミンB6 / ビタミンB12 / 葉酸

その他、マグネシウム、ビタミンB6 、ビタミンB12、葉酸なども、通常の食事で摂取することができます。
ただし、摂取量が少ない場合は、薬やサプリメントで補う必要があります。

ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸は、「ホモシステイン」の代謝に関わるビタミンです。
このホモシステインという物質は、全身のコラーゲンの劣化を予防し、骨のコラーゲンをしなやかに保ってくれます。

しかし、上述のビタミンの摂取量が少ない場合、血中ホモシステイン濃度の上昇が見られます。
高ホモシステイン血症は、骨密度とは独立した骨折の危険因子であることが示されているため、適量のビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の摂取が必要となります。

マグネシウム

マグネシウムは、体内での量はカルシウムに比べると少ないのですが、約半分が骨に含まれています。

マグネシウムが慢性的に不足すると、不整脈などを引き起こし、「虚血性心疾患 (きょけつせいしんしっかん)」のリスクが高まります。
さらに、血中マグネシウム濃度が低下すると、同時にカルシウム濃度も低下してしまいます。

マグネシウムを多く含む食品
大豆製品や海藻、ナッツ類など。

カルシウムとマグネシウムが効率よく取れる食品を選びましょう。
理想的な比率としては、「カルシウムが2 : マグネシウムが1」が望ましいです。

よく誤解されがちな「コラーゲンのサプリメント」の効能

コラーゲンに関しては、いろいろな種類のサプリメントが発売されています。
効能としては、関節の痛みを抑えたり、髪質改善、美肌など、どちらかといえば美容に対して用いられていることが多いようです。

確かに骨はコラーゲンが構成成分の大部分を占めていますが、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年度版」において、骨粗鬆症に対してのコラーゲンのサプリ摂取は記載されておらず、有効性は無いと考えてもよいでしょう。

Warning symbol in hand of doctor.

避けるべき食品

骨粗鬆症の食事では、エネルギーおよび栄養素をバランスよく摂取する事が基本です。

骨粗鬆症治療ガイドラインでは、特に避けるべき食品はないとされていますが、

  • リン
  • 食塩
  • カフェイン
  • アルコール

の過剰摂取は控えることと明言しています。

サプリメントだけで骨粗鬆症は解決しない

骨粗鬆症に対しては、食事療法、運動療法、薬物療法が大前提となります。
それらを補う位置づけで、サプリメントを活用してみてください。

その際にも、かかりつけ医や、骨粗鬆症に詳しい医師に相談することをおすすめします。
大阪または近隣にお住まいの方でしたら、当院「むつみクリニック」でも対応可能です。お気軽にご相談ください。

【参考文献】

  • 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版
  • 石橋 英明: 骨粗鬆症 予防検査治療の全てがわかる本