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大阪市の骨密度検査はどこで受けられる?

更新日:

大阪市住之江区にある当院で骨密度検査が受けられます

骨密度検査を受けたくて病院を探しているんですけど… 何科で受けられますか?

一般的には「整形外科」が思い浮かびますよね。
でも実際には、整形外科であっても骨密度検査ができない施設もあります。

置いている骨密度測定器や測定部位も、病院によってさまざまです。
また、内科や産婦人科で骨密度検査ができるところもあります。

もちろん、大阪市にある当整形外科「むつみクリニック」では精密な骨密度検査が可能です。
骨粗鬆症の専門外来を設けておりますので、「06-6686-7623」までお気軽にお電話ください。

骨粗鬆症は、合併症である骨折が起きるまでは何の症状もありません。つまり、高血圧のように沈黙の疾患と言えます。
逆に、骨粗鬆症の存在を疑って診療を進めることは、どの診療科でも可能です。
「診療する側の骨粗鬆症に対する意識の高さ」
が最も重要と言えるでしょう。

ここ大阪市においても、調べれば多くのクリニックで骨密度検査が可能になっています。骨密度検査の方法については、施設によってさまざまです。

整形外科に限らず骨密度検査が可能な施設がありますので、サイトやお電話などでお調べいただくのもよいと思います。

骨密度検査の費用はどれくらい?

費用の相場が気になります…

無料検査や低価格で行われる自治体による簡易骨密度検査もありますが、ここではそれらに触れず、主にクリニックで行う骨密度検査 (MD法およびDEXA法) について説明しますね。

まず、主流検査方法「DEXA法」での骨密度検査における、費用の目安は以下です。

完全自費診療時の目安保険適用時の目安
約20,000-40,000円ほど約5,000-10,000円ほど (自己負担額)

やっぱり、「保険適用になるかどうか」でかなり変わってくるんですね。

なお、病院によっては骨ドックや骨粗鬆症検診を謳い、自費で行っているところもあります。

ご参考までに、より詳しい骨密度検査の保険点数や算定基準も載せておきます。

DEXA法による腰椎撮影 (360点)

注… 同一日にDEXA法により大腿骨撮影を行った場合には、大腿骨同時撮影加算として、90点を所定点数に加算する。 

MD法、SEXA法等 (140点)

1点10円の計算となりますので、DEXA法であれば4500円、MD法で1400円 (3割負担でそれぞれ1350円、420円) となります。

保険診療であれば、上記に加え初診料、再診療や外来管理加算、採血、レントゲンなどの費用が加わることになります。

私は保険診療になるんだろうか…

そこが気になりますよね。
基本的には自費になると思いますが、医師の診察や問診などで保険適応となるケースもあります。
なので、受診される施設にお問い合わせをするのが確実です。

骨密度検査は何歳から?

骨密度検査は、何歳からでも検査が可能です。

「骨粗鬆症を早期発見したい」
という目的で検査をする場合、女性なら「50歳前後を平均とする閉経期」から測定することがのぞまれます。
男性なら、生活習慣病による骨質劣化、ステロイドの内服など「色々な要因が関与してくることが多くなる60歳頃」から測定することがのぞましいでしょう。

ちなみに「骨粗鬆症と生活習慣病」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

また、多くの自治体においては、40歳から70歳の年齢に該当していれば、骨密度検査を5年毎に受けることが可能です。
これを「節目検診 (ふしめけんしん) 」と呼びます。

骨密度検査にも種類がある

骨密度の検査方法にもいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

実は、骨密度検査にもいくつかの種類があるんです。

え、そうなんですか?
1番良い種類が知りたい…!

結論としては、「DEXA法 (できさほう)」という検査方法が1番おすすめです。
種類ごとにメリット / デメリットを解説します。

骨密度検査の方法①「DEXA法」

大阪市にある当院「むつみクリニック」では、骨粗鬆症の精密検査としてDEXA法 (できさほう) を用いております。
※「DXA法」とも書きます。

DEXA法 (できさほう) …
どんな検査方法なんですか?

DEXA法とは、2種類のエネルギーのX線を用いて骨密度を計測する方法です。
これは日本骨粗鬆症学会、そして世界的にも推奨されている骨密度測定方法です。

放射線を用いるものの、被ばく量は「胸部X線の数十分の一」というごくわずかな量です。

DEXA法は全身の骨密度を測定することができますが、一般には腰椎 (ようつい) 正面と大腿骨近位部の測定に用いられます。
それぞれの部位の測定値が、「若年成人の平均値の70%未満の場合」は骨量減少と判定します。

腰椎 (ようつい) と大腿骨近位部で結果が異なる場合は、最も低いところで判断します。

自治体などの骨粗鬆症検診で、
「要精密検査」
となった方は、医療機関にかかる際、
腰椎 (ようつい) や大腿骨が測定できるDEXA装置があるかどうか
を調べてから受診をされることをおすすめします。

骨密度検査の方法②「MD法」

MD法 (えむでぃーほう) は、第2中手骨 (人差し指につながる手の甲の骨) をX線撮影し、画像上の濃淡や皮質骨の幅から骨密度を判定する方法です。

両手の間に骨密度の基準となる階段状のアルミ板を置いて、X線撮影を行うだけで短時間で簡単に終えることができます。
MD法で判定する中手骨の骨幹部は、骨粗鬆症の影響を受けにくい骨ですが、大規模な調査で有効性が示されています。

MD法で骨密度が低下している場合、その後に骨折する確率が増えるとされています。
前述のDEXA法と同じく、「若年成人平均の70%未満」で骨粗鬆症、「若年成人平均の70-80%」で骨量減少と判断されます。
ただし、感度が低いため、治療効果の判定には用いることはできないことが難点です。

骨密度検査の方法③「QUS法」

QUS法 (きゅーゆーえすほう) は、定量的超音波骨量測定法ともいい、骨に超音波をあてて、伝わる速さや超音波の減衰する程度から骨量を測定する方法です。

一般に音は、硬いものほど早く伝わり、弱くなりにくいという性質があり、QUS法はこの原理を使った測定方法です。
骨の硬さを評価するため、骨質も評価できると考えられています。

現時点では、海綿骨の多いかかとの骨を測定することが多く、放射線を用いないことから、地域の講習会やイベント、市の骨粗鬆症検診などで用いられています。

しかしMD法と同様に感度が高くないことから、スクリーニングとして利用されるのみで、正式な骨粗鬆症の診断には使用されません。
また、DEXA法とは測定原理も部位も異なるので、結果が一致しないこともしばしばです。

参考までに、当院が位置する大阪市での骨粗鬆症検診を行った結果、要精密検査となった場合に受け入れ可能な医療機関は以下のリンクからご参照ください。いずれの施設もDEXA検査可能です。
・大阪市のホームページより抜粋 (リンクはこちら)

色んな検査方法があるんですね。
でも、「DEXA法 (できさほう)」が1番おすすめということは分かりました💡

そうなんです。
そして、骨粗鬆症の知識や治療経験が豊富、かつ測定方法の違いも理解している医師にみてもらうことが大切ですよ。

ちなみにDEXA法については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

骨密度検査ではまず「問診」と「身長測定」を行う

骨粗鬆症の診断ではさまざまな検査を行いますが、まずは医師による問診や身長測定があります。

問診では、

  • 現在の症状。
  • これまでの骨折の有無。
  • 既往歴。
  • 女性であれば月経の有無。
  • 近親者の骨折の有無。

などをお聞きする必要があります。

これらのことを通じて、患者様のお体の状態や病気の進行具合、どれくらい骨粗鬆症になりやすいかを把握することが可能になります。
特に近親者の骨折歴はとても重要な項目ですので、両親や兄妹、祖父母の骨折歴などは調べておいて答えられるようにしておいた方が良いでしょう。

そのほか、「食事」「運動」「飲酒」「喫煙」などの生活習慣もお聞きします。

身長測定は、

  • 「椎体骨折 (ついたいこっせつ) ※」の有無。 ※背骨の骨折。
  • 「椎間板 (ついかんばん) 」に変化がないかどうか。

を調べるために行います。
できれば、過去の検診結果などを参考にして、自身の身長の変化を伝えられるようにしておくと良いでしょう。

私、どうも骨折しやすいんですよねぇ…

なるほど。
骨密度検査では、診断するうえで「骨折の有無」と「骨密度」がとても重要な要素になりますよ。

診断時に重要情報になるのが、骨がもろくなる事によって起きる、
「脆弱性骨折 (ぜいじゃくせいこっせつ) の有無とその部位」
です。

椎体骨折 (背骨の骨折) 、あるいは大腿骨近位部骨折 (脚の付け根の骨折) がある場合、それだけで骨粗鬆症と判断されます。

すなわち、背骨の圧迫骨折や足のつけ根を骨折した事があると、速やかに骨粗鬆症の治療が必要となります。

他にも骨粗鬆症と診断される場合があります。
肋骨や骨盤、腕の付け根、手首などの部位の骨折も脆弱性骨折の一部であり、これらの骨折の既往に加えて、骨密度検査で骨密度が低ければ「骨粗鬆症」と診断されます。

以下の「骨密度検査の見方」でも、改めて説明します。

骨密度検査の見方

骨密度検査の見方について説明してまいります。

骨粗鬆症の判定基準① 「椎体骨折 / 大腿骨近位部骨折」

前述したようにまず、
椎体骨折 (ついたいこっせつ) や大腿骨近位部骨折 (だいたいこつきんいぶこっせつ) を起こしたことのある方
は、(骨密度の数値に関わらず) それだけで骨粗鬆症と判定されます。

それ以外の脆弱性骨折を起こした人は、「YAM値 (やむち) 」というものが判定基準になります。
※YAMは、「Young Adult Mean (若年成人平均) 」の略。

やむち…?

はい。若年成人の骨密度平均値に対して、自身の骨密度が何%であるかを比較した数値を、
「YAM値 (やむち)」
と言います。

このYAM値 (やむち) とは、平均値を100としたときの、自分の骨量割合を表す数値です。

骨粗鬆症の判定基準②「椎体骨折 / 大腿骨近位部骨折」以外の脆弱性骨折 + YAM値が80%未満

「椎体骨折」「大腿骨近位部骨折」以外の脆弱性骨折を起こした方は、80%未満で骨粗鬆症と判定されます。

正常骨粗鬆症
80%以上80%未満
※「椎体骨折」「大腿骨近位部骨折」以外の脆弱性骨折を起こした場合。

骨粗鬆症の判定基準③ 脆弱性骨折を起こしていない + YAM値が70%未満

脆弱性骨折を起こしていない方でも、70~79%で要注意、70%未満で骨粗鬆症と判定されます。

正常骨量減少骨粗鬆症
80%以上70~79%70%未満
※脆弱性骨折を起こしていない場合。

骨粗鬆症の判定基準④ Tスコアがマイナス2.5SD以下

もう1つ重要な評価項目に、「Tスコア」というものがあります。
Tスコアとは、骨密度が若年成人女性の平均値を正常として、どれくらいの隔たりがあるかを標準偏差 (SD) として表したものです。
そして、Tスコアが「マイナス2.5SD以下の場合」も骨粗鬆症と判定されます。

検査結果としてお渡しするレポート紙には、YAM値 (やむち) やTスコア、同年代との比較値も記載されています。

▼ むつみクリニックのレポート紙「骨密度検査結果シート」

一例として上記レポート紙では、用紙右下に「T: -2.7 (SD)」と記載されてあります。
Tスコアが「マイナス2.5SD以下の場合」に該当しますので、つまり「骨粗鬆症である」という判定になります。

そして「骨粗鬆症」と判定された方のほとんどが、閉経期以降、60代〜70代以降のご年齢に該当すると思います。

骨密度は年齢別平均値より「YAM値 (やむち) 」に注目を

自分と同年代の骨密度平均値ってどれくらいなんだろう…?

ちょっとお待ちを。実は「同年代の数値と比べてどうか」よりも、
若年成人の数値と比べてどうか
のほうが重要なんです。

おお…! 何で「若年成人の数値」が重要になるんですか?

骨密度検査の結果では、

  • 若年成人の平均値 (YAM値) との比較
  • 同年代の平均値との比較

この2種類が書かれています。
大切なのは、この「若年成人の平均値 (YAM値) と比べて、自分の骨密度はどれくらいか」という点です。

ここで言う若年成人とは、腰椎なら20~44歳、大腿骨近部なら20~29歳のことです。いわば、
「骨密度がピークに達し、それ維持している年代」
です。
そのため、若い人々の平均値を比較基準にすることが診断では重要になるのです。
よって、同年代と同じくらいの数値であっても安心はできません。

なるほどなぁ…
検査結果のレポート紙をもらったら、まず「自分のYAM値は何%か?」に注目してみようと思います💡

ちなみに検査結果では、ご高齢にも関わらずYAM値が100%を超えていたり、高い数値を持つ方もいます。特に腰椎の骨密度では、100%を超えることが多いです。
腰椎の特徴として、変性による骨棘や骨硬化のために数値が高くなりがちです。この辺りについては、今後も精度向上が望まれます。

こうした骨密度検査の結果をもとに、治療方針を決めていきます。

骨代謝と骨粗鬆症

ここから難しいお話になりますが、骨粗鬆症への理解がさらに深まる知識を。

骨は一生の間、休むことなく古い骨を壊し、新しい骨をつくって入れ替えています。
おおよそ1年間で、骨の約10%が新しくなると言われています。

骨の代謝作業は、「破骨細胞 (はこつさいぼう) 」と「骨芽細胞 (こつがさいぼう) 」という2つの細胞が受け持っています。

破骨細胞は、もとは血液系の細胞が大きくなった多核細胞です。
そして骨の表面にはりついて骨を溶かすことを、「骨吸収」と呼びます。

破骨細胞の骨吸収作業が進むと、骨のへこんだ部位に骨芽細胞が集まります。
集まってきた骨芽細胞はコラーゲンを分泌し、ハイドロキシアパタイトという成分を沈着させて骨を形成します。
このことを「骨形成」と呼びます。

この「骨吸収 → 骨形成 → 休止」のサイクルを、「骨代謝回転」または「骨のリモデリング」といいます。
※上図参照。

骨粗鬆症専門外来では、DEXA法 (できさほう) による骨密度検査だけでなく、採血で骨代謝マーカーを測定したり、問診で既往歴や家族歴を聴取することで、現状を評価する事が可能です。

めちゃくちゃ難しい…
でも、採血でこういう部分も診てくれるのは安心😌

大阪市にある当院「むつみクリニック」での骨粗鬆症治療も、定期的に骨密度検査を行い、採血でカルシウム、リン、ビタミンDや骨代謝マーカーを評価することで、「治療薬の効果がしっかり出ているか?」「薬剤変更の必要があるかどうか?」を判断しております。

骨密度検査を通じて骨折を防ぐことが大切

骨粗鬆症と骨折の関係は、

  • 高血圧と脳卒中の関係
  • 血糖値と糖尿病の関係

とよく似ています。

高血圧だけでは自覚症状はありませんが、脳卒中や心筋梗塞を引き起こさないために血圧のコントロールが必要です。
また、糖尿病が進行すると眼が見えなくなったり、腎臓の機能が低下して透析が必要となったりします。そうならないために血糖値のコントロールが必要です。

このように骨粗鬆症についても、高血圧や糖尿病に気をつけるように、日常生活の中で注意を払うことが重要なのです。

若いころは骨折したとき、「まぁ骨折くらい」って、何となく簡単にとらえていました😅

甘く考えるのは非常に危険なんです。
骨折した部位によっては、生命予後を左右する場合 (骨折による短命化) もあるからです。

足の付け根 (大腿骨頚部または大腿骨近位部と呼びます) が骨折した場合は、要介護や寝たきりになることが多く、女性の要介護、寝たきりの原因の約20%程度を占めています。

腰や背中 (腰椎や胸椎、脊椎) の圧迫骨折も、強い痛みでしばらく動けなかったり、その後も数か月痛みが続く事があります。
すると、全身の筋力や活動性が低下し、ケガをする前の状態に戻ることが難しくなるでしょう。

一度骨折をおこしたことがある方は、続けて骨折を起こす確率も高くなります。
将来寝たきりにならないために、骨粗鬆症と骨折に気をつけていきましょう。

【参考文献】

金光 廣則

投稿者: 金光 廣則

投稿者: 金光 廣則

2009年、大阪市立大学医学部卒業後、名古屋第二赤十字病院で研修。大阪に戻りPL病院、リハビリ病院などで研鑽を積む。急性期から慢性期まで経験し、手術だけでなく在宅医療にも携わる。2021年、むつみクリニックを継承開業。