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大阪市の骨密度検査はどこで受けられる?【2024年最新情報】

更新日:

大阪市内で、無料で骨密度測定ができる場所はありますか?

大阪市が行っている骨粗鬆症検診でしたら、無料で測定を受けることができます。

このページでは、

  • 無料でできる簡易検査
  • クリニックでの精密検査

に分け、大阪市の骨密度検査を解説いたします。

※「要精密検査」と診断され精密検査ができる病院をお探しの方、最初から精密検査を受けたい方は、こちらからお進みください

無料で骨密度検査ができる場所

はじめに2024年時点での情報として、無料で受けられる「大阪市 骨粗しょう症検診」をご紹介します。

大阪市の骨粗しょう症検診

詳細が掲載されている「大阪市 骨粗しょう症検診」のURLはこちら

骨密度検査の方法費用
超音波パルス透過法により、踵骨 (かかと) の骨量を測定する。年度末現在で18歳以上の市民は、無料。

大阪市では、市内24区の各区にある保健福祉センター (保健福祉課または健康課) にて、
「骨粗しょう症検診」
が定期的に行われております。

こちらの「大阪市 各区のがん検診等実施・予約状況 (令和6年度実施分) 」ページにアクセスすると、「骨粗しょう症検診」についても、各保健福祉センターの電話番号や予約状況を確認することができます。

それでは1区ずつ、大阪市内24区の実施場所もご紹介してまいります。

大阪市北区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6313-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
北区役所 保健福祉センター大阪府大阪市北区扇町2-1-27

大阪市都島区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6882-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
都島区 保健福祉センター 分館大阪市都島区中野町5-15-21 大阪市都島センタービル内

大阪市福島区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6464-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
福島区役所 保健福祉センター大阪府大阪市福島区大開1-8-1

大阪市此花区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6466-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
此花区役所 保健福祉センター大阪府大阪市此花区春日出北1-8-4

大阪市中央区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6267-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
中央区役所 保健福祉センター大阪市中央区久太郎町1-2-27

大阪市西区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6532-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
西区役所 保健福祉センター大阪府大阪市西区新町4-5-14

大阪市港区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6576-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
港区役所 保健福祉センター大阪府大阪市港区市岡1-15-25

大阪市大正区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-4394-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
大正区役所 保健福祉センター大阪府大阪市大正区千島2-7-95

大阪市天王寺区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6774-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
天王寺区 保健福祉センター 分館大阪市天王寺区上汐4-3-2

大阪市浪速区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6647-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
浪速区役所 保健福祉センター大阪府大阪市浪速区敷津東1-4-20

大阪市西淀川区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6478-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
西淀川区役所 保健福祉センター大阪府大阪市西淀川区御幣島1-2-10

大阪市淀川区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6308-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
淀川区役所 保健福祉センター大阪府大阪市淀川区十三東2-3-3

大阪市東淀川区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-4809-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
東淀川区役所 保健福祉センター大阪府大阪市東淀川区豊新2-1-4

大阪市東成区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6977-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
東成区 保健福祉センター 分館大阪府大阪市東成区大今里西1-19-29

大阪市生野区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6715-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
生野区役所 保健福祉センター大阪府大阪市生野区勝山南3-1-19

大阪市旭区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6957-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
旭区 保健福祉センター 分館大阪府大阪市旭区森小路2-5-26

大阪市城東区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6930-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
城東区役所 保健福祉センター大阪府大阪市城東区中央3-5-45

大阪市鶴見区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6915-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
鶴見区役所 保健福祉センター大阪府大阪市鶴見区横堤5-4-19

大阪市阿倍野区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6622-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
阿倍野区役所 保健福祉センター大阪府大阪市阿倍野区文の里1-1-40

大阪市住之江区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6682-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
南港ポートタウン管理センター大阪府大阪市住之江区南港中2-1-99
すみのえ舞昆ホール (住之江区民ホール)大阪府大阪市住之江区御崎3-1-17
住之江区 保健福祉センター 分館大阪府大阪市住之江区浜口東3-5-16

大阪市住吉区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐6694‐9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨粗しょう症検診」に、「空」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
住吉区役所 保健福祉課大阪市住吉区南住吉3-15-55

大阪市東住吉区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06‐4399‐9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨粗しょう症検診」に、「空」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
東住吉区役所 保健福祉センター大阪府大阪市東住吉区東田辺1-13-4

大阪市平野区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-4302-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
平野区役所 保健福祉センター大阪府大阪市平野区背戸口3-8-19
平野区役所 北部サービスセンター大阪府大阪市平野区加美鞍作1-9-3
長吉東小学校大阪府大阪市平野区長吉出戸8-8

大阪市西成区

骨粗しょう症検診に関するお問い合わせは、「06-6659-9882」。

毎月の検診日程は、事前にこちらから要確認
※表内の項目「骨」に、「◯」と記載されている日程を確認。

実施場所住所
西成区役所 2階 保健福祉センター大阪市西成区岸里1-5-20

以上、大阪市が行う骨粗しょう症検診の実施場所でした。

なお検診結果は、検査当日中に受取ができます。

検診や健康診断で「要精密検査」になった場合

保健福祉センターの骨粗鬆症検診に行ってきました。
「精密検査の必要あり」
と診断されました… びっくりです。

その場合、「骨粗鬆症 (こつそしょうしょう) 」の疑いがあります。

骨粗鬆症の市民検診や健康診断で「要精密検査」と診断された場合、検診結果をご持参のうえ、
精密検査を実施する大阪市内の協力医療機関
にて精密検査を受けてください。

もちろん、大阪市と連携している精密検査可能医療機関の1つである当院「むつみクリニック」でも精密な骨密度検査が可能です。

要精密検査の方や、最初から精密検査を受けたい方は、骨粗鬆症の専門外来を設けている当院「06-6686-7623」までお気軽にご相談ください。

骨粗鬆症の精密検査費用ってどれくらい?

「要精密検査」になったので、いざ精密検査…
精密検査のほうはどれくらいお金がかかるのか、相場が気になります。

承知しました。
ここでは、無料検査や低料金で行われる簡易骨密度検査には触れず、クリニックで行う骨粗鬆症の精密検査 (DEXA法) について説明しますね。

骨粗鬆症の主流検査方法「DEXA法 (できさほう) 」における、費用の目安は以下です。

完全自費診療時の目安保険適用時の目安
約20,000-40,000円ほど約5,000-10,000円ほど (自己負担額)

なるほど…
「保険適用になるかどうか」で費用がだいぶ変わるんだねぇ。

問診/診察の結果で以下のような方は、保険適用で骨密度検査を受けることができます。

  • 大腿骨近位部骨折、または椎体骨折を起こした事がある。
  • 家族に上記骨折歴がある。
  • ステロイドを服用している。
  • 糖尿病を指摘された事がある。
  • 背中が痛む。
  • 背が縮んできた事がある。

また、紹介状を持参された方や市民検診で「要精密検査」となられた方は、基本的に保険適用の可能性が高いです。

私は検診で「要精密検査」になったから、保険適用になりそうかな。

上記以外の場合でも、問診結果によっては自費でなく保険適用となるケースもあります。
大阪で骨密度の精密検査を受けたい方は、大阪市にある当院「06-6686-7623」までお気軽にご相談ください。

ご参考までに当院の場合、保険点数は以下のようになります。
・DEXA法による腰椎撮影: 360点
※同一日にDEXA法による大腿骨撮影を行った場合、大腿骨同時撮影加算として、90点を所定点数に加算。

大多数の方が腰椎と大腿骨を同時に測定しますので、保険点数としては、
「360点 + 90点 = 450点 (4,500円)」
となります。

そして保険診療であれば、初診料、再診療や外来管理加算、採血、レントゲンなどの費用も加算されます。

医師の診察や問診などで保険適応となるケースもあるので、ご費用については受診施設側にお問い合わせをしていただくのが確実です。

骨密度検査にも種類がある

骨密度の検査方法にもいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

骨密度検査にもいくつかの種類があります。

1番良い種類を聞きたい…!

前項でもふれた検査方法、「DEXA法 (できさほう) 」が1番おすすめです。

検査方法の種類ごとに、メリット / デメリットを解説してまいります。

骨密度検査の方法①「DEXA法」

大阪市にある当院「むつみクリニック」では、骨粗鬆症の精密検査としてDEXA法 (できさほう) を用いております。
※「DXA法」とも書きます。

DEXA法 (できさほう) …
どんな検査方法なんですか?

DEXA法とは、2種類のエネルギーのX線を用いて骨密度を計測する方法です。
これは日本骨粗鬆症学会、そして世界的にも推奨されている骨密度測定方法です。

放射線を用いるものの、被ばく量は「胸部X線の数十分の一」というごくわずかな量です。

DEXA法は全身の骨密度を測定することができますが、一般には腰椎 (ようつい) 正面と大腿骨近位部の測定に用いられます。
それぞれの部位の測定値が、「若年成人の平均値の70%未満の場合」は骨量減少と判定します。

腰椎 (ようつい) と大腿骨近位部で結果が異なる場合は、最も低いところで判断します。

自治体などの骨粗鬆症検診で、
「要精密検査」
となった方は、そのあとの医療機関にかかる際、
腰椎 (ようつい) や大腿骨が測定できるDEXA装置があるかどうか
を調べてから受診をされることをおすすめします。

骨密度検査の方法②「MD法」

MD法 (えむでぃーほう) は、第2中手骨 (人差し指につながる手の甲の骨) をX線撮影し、画像上の濃淡や皮質骨の幅から骨密度を判定する方法です。

両手の間に骨密度の基準となる階段状のアルミ板を置いて、X線撮影を行うだけで短時間で簡単に終えることができます。
MD法で判定する中手骨の骨幹部は、骨粗鬆症の影響を受けにくい骨ですが、大規模な調査で有効性が示されています。

MD法で骨密度が低下している場合、その後に骨折する確率が増えるとされています。
前述のDEXA法と同じく、「若年成人平均の70%未満」で骨粗鬆症、「若年成人平均の70-80%」で骨量減少と判断されます。
ただし、感度が低いため、治療効果の判定には用いることはできないことが難点です。

骨密度検査の方法③「QUS法」

QUS法 (きゅーゆーえすほう) は、定量的超音波骨量測定法ともいい、骨に超音波をあてて、伝わる速さや超音波の減衰する程度から骨量を測定する方法です。

一般に音は、硬いものほど早く伝わり、弱くなりにくいという性質があり、QUS法はこの原理を使った測定方法です。
骨の硬さを評価するため、骨質も評価できると考えられています。

現時点では、海綿骨の多いかかとの骨を測定することが多く、放射線を用いないことから、地域の講習会やイベント、市の骨粗鬆症検診などで用いられています。

しかしMD法と同様に感度が高くないことから、スクリーニングとして利用されるのみで、正式な骨粗鬆症の診断には使用されません。
また、DEXA法とは測定原理も部位も異なるので、結果が一致しないこともしばしばです。


ご参考までに、大阪市で骨粗鬆症検診を行った結果、要精密検査となった場合に受入可能な医療機関はこちらのリンクからご参照ください。
※いずれの施設もDEXA検査が可能です。

色んな検査方法があるんですね。
でも、「DEXA法 (できさほう)」が1番おすすめということは分かりました💡

そうなんです。
そして、骨粗鬆症の知識や治療経験が豊富、かつ測定方法の違いも理解している医師にみてもらうことが大切ですよ。

ちなみにDEXA法については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

骨密度検査ではまず「問診」と「身長測定」を行う

骨粗鬆症の診断ではさまざまな検査を行いますが、まずは医師による問診や身長測定があります。

問診では、

  • 現在の症状。
  • これまでの骨折の有無。
  • 既往歴。
  • 女性であれば月経の有無。
  • 近親者の骨折の有無。

などをお聞きする必要があります。

これらのことを通じて、患者様のお体の状態や病気の進行具合、どれくらい骨粗鬆症になりやすいかを把握することが可能になります。
特に近親者の骨折歴はとても重要な項目ですので、両親や兄妹、祖父母の骨折歴などは調べておいて答えられるようにしておいた方が良いでしょう。

そのほか、「食事」「運動」「飲酒」「喫煙」などの生活習慣もお聞きします。

身長測定は、

  • 「椎体骨折 (ついたいこっせつ) ※」の有無。 ※背骨の骨折。
  • 「椎間板 (ついかんばん) 」に変化がないかどうか。

を調べるために行います。
できれば、過去の検診結果などを参考にして、自身の身長の変化を伝えられるようにしておくと良いでしょう。

私、どうも骨折しやすいんですよねぇ…

なるほど。
骨密度検査では、診断するうえで「骨折の有無」と「骨密度」がとても重要な要素になりますよ。

診断時に重要情報になるのが、骨がもろくなる事によって起きる、
「脆弱性骨折 (ぜいじゃくせいこっせつ) の有無とその部位」
です。

椎体骨折 (背骨の骨折) 、あるいは大腿骨近位部骨折 (脚の付け根の骨折) がある場合、それだけで骨粗鬆症と判断されます。

すなわち、背骨の圧迫骨折や足のつけ根を骨折した事があると、速やかに骨粗鬆症の治療が必要となります。

他にも骨粗鬆症と診断される場合があります。
肋骨や骨盤、腕の付け根、手首などの部位の骨折も脆弱性骨折の一部であり、これらの骨折の既往に加えて、骨密度検査で骨密度が低ければ「骨粗鬆症」と診断されます。

以下の「骨密度検査の見方」でも、改めて説明します。

骨密度検査の見方

骨密度検査の見方について説明してまいります。

骨粗鬆症の判定基準① 「椎体骨折 / 大腿骨近位部骨折」

前述したようにまず、
椎体骨折 (ついたいこっせつ) や大腿骨近位部骨折 (だいたいこつきんいぶこっせつ) を起こしたことのある方
は、(骨密度の数値に関わらず) それだけで骨粗鬆症と判定されます。

それ以外の脆弱性骨折を起こした人は、「YAM値 (やむち) 」というものが判定基準になります。
※YAMは、「Young Adult Mean (若年成人平均) 」の略。

やむち…?

はい。若年成人の骨密度平均値に対して、自身の骨密度が何%であるかを比較した数値を、
「YAM値 (やむち)」
と言います。

このYAM値 (やむち) とは、平均値を100としたときの、自分の骨量割合を表す数値です。

骨粗鬆症の判定基準②「椎体骨折 / 大腿骨近位部骨折」以外の脆弱性骨折 + YAM値が80%未満

「椎体骨折」「大腿骨近位部骨折」以外の脆弱性骨折を起こした方は、80%未満で骨粗鬆症と判定されます。

正常骨粗鬆症
80%以上80%未満
※「椎体骨折」「大腿骨近位部骨折」以外の脆弱性骨折を起こした場合。

骨粗鬆症の判定基準③ 脆弱性骨折を起こしていない + YAM値が70%未満

脆弱性骨折を起こしていない方でも、70~79%で要注意、70%未満で骨粗鬆症と判定されます。

正常骨量減少骨粗鬆症
80%以上70~79%70%未満
※脆弱性骨折を起こしていない場合。

骨粗鬆症の判定基準④ Tスコアがマイナス2.5SD以下

もう1つ重要な評価項目に、「Tスコア」というものがあります。
Tスコアとは、骨密度が若年成人女性の平均値を正常として、どれくらいの隔たりがあるかを標準偏差 (SD) として表したものです。
そして、Tスコアが「マイナス2.5SD以下の場合」も骨粗鬆症と判定されます。

検査結果としてお渡しするレポート紙には、YAM値 (やむち) やTスコア、同年代との比較値も記載されています。

▼ むつみクリニックのレポート紙「骨密度検査結果シート」

一例として上記レポート紙では、用紙右下に「T: -2.7 (SD)」と記載されてあります。
Tスコアが「マイナス2.5SD以下の場合」に該当しますので、つまり「骨粗鬆症である」という判定になります。

そして「骨粗鬆症」と判定された方のほとんどが、閉経期以降、60代〜70代以降のご年齢に該当すると思います。

骨密度は年齢別平均値より「YAM値 (やむち) 」に注目を

自分と同年代の骨密度平均値ってどれくらいなんだろう…?

ちょっとお待ちを。実は「同年代の数値と比べてどうか」よりも、
若年成人の数値と比べてどうか
のほうが重要なんです。

おお…! 何で「若年成人の数値」が重要になるんですか?

骨密度検査の結果では、

  • 若年成人の平均値 (YAM値) との比較
  • 同年代の平均値との比較

この2種類が書かれています。
大切なのは、この「若年成人の平均値 (YAM値) と比べて、自分の骨密度はどれくらいか」という点です。

ここで言う若年成人とは、腰椎なら20~44歳、大腿骨近部なら20~29歳のことです。いわば、
「骨密度がピークに達し、それ維持している年代」
です。
そのため、若い人々の平均値を比較基準にすることが診断では重要になるのです。
よって、同年代と同じくらいの数値であっても安心はできません。

なるほどなぁ…
検査結果のレポート紙をもらったら、まず「自分のYAM値は何%か?」に注目してみようと思います💡

ちなみに検査結果では、ご高齢にも関わらずYAM値が100%を超えていたり、高い数値を持つ方もいます。特に腰椎の骨密度では、100%を超えることが多いです。
腰椎の特徴として、変性による骨棘や骨硬化のために数値が高くなりがちです。この辺りについては、今後も精度向上が望まれます。

こうした骨密度検査の結果をもとに、治療方針を決めていきます。

骨密度検査は何歳から?

骨密度検査は、何歳からでも検査が可能です。

「骨粗鬆症を早期発見したい」
という目的で検査をする場合、女性なら「50歳前後を平均とする閉経期」から測定することがのぞまれます。
男性なら、生活習慣病による骨質劣化、ステロイドの内服など「色々な要因が関与してくることが多くなる60歳頃」から測定することがのぞましいでしょう。

ちなみに「骨粗鬆症と生活習慣病」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

また、多くの自治体においては、40歳から70歳の年齢に該当していれば、骨密度検査を5年毎に受けることが可能です。
これを「節目検診 (ふしめけんしん) 」と呼びます。

骨代謝と骨粗鬆症

ここから難しいお話になりますが、骨粗鬆症への理解がさらに深まる知識を。

骨は一生の間、休むことなく古い骨を壊し、新しい骨をつくって入れ替えています。
おおよそ1年間で、骨の約10%が新しくなると言われています。

骨の代謝作業は、「破骨細胞 (はこつさいぼう) 」と「骨芽細胞 (こつがさいぼう) 」という2つの細胞が受け持っています。

破骨細胞は、もとは血液系の細胞が大きくなった多核細胞です。
そして骨の表面にはりついて骨を溶かすことを、「骨吸収」と呼びます。

破骨細胞の骨吸収作業が進むと、骨のへこんだ部位に骨芽細胞が集まります。
集まってきた骨芽細胞はコラーゲンを分泌し、ハイドロキシアパタイトという成分を沈着させて骨を形成します。
このことを「骨形成」と呼びます。

この「骨吸収 → 骨形成 → 休止」のサイクルを、「骨代謝回転」または「骨のリモデリング」といいます。
※上図参照。

骨粗鬆症専門外来では、DEXA法 (できさほう) による骨密度検査だけでなく、採血で骨代謝マーカーを測定したり、問診で既往歴や家族歴を聴取することで、現状を評価する事が可能です。

めちゃくちゃ難しい…
でも、採血でこういう部分も診てくれるのは安心😌

大阪市にある当院「むつみクリニック」での骨粗鬆症治療も、定期的に骨密度検査を行い、採血でカルシウム、リン、ビタミンDや骨代謝マーカーを評価することで、「治療薬の効果がしっかり出ているか?」「薬剤変更の必要があるかどうか?」を判断しております。

骨密度検査を通じて骨折を防ごう

骨粗鬆症と骨折の関係は、

  • 高血圧と脳卒中の関係
  • 血糖値と糖尿病の関係

とよく似ています。

高血圧だけでは自覚症状はありませんが、脳卒中や心筋梗塞を引き起こさないために血圧のコントロールが必要です。
また、糖尿病が進行すると眼が見えなくなったり、腎臓の機能が低下して透析が必要となったりします。そうならないために血糖値のコントロールが必要です。

このように骨粗鬆症についても、高血圧や糖尿病に気をつけるように、日常生活の中で注意を払うことが重要なのです。

若いころは骨折したとき、「まぁ骨折くらい」って、何となく簡単にとらえていました😅

甘く考えるのは非常に危険なんです。
骨折した部位によっては、生命予後を左右する場合 (骨折による短命化) もあるからです。

足の付け根 (大腿骨頚部または大腿骨近位部と呼びます) が骨折した場合は、要介護や寝たきりになることが多く、女性の要介護、寝たきりの原因の約20%程度を占めています。

腰や背中 (腰椎や胸椎、脊椎) の圧迫骨折も、強い痛みでしばらく動けなかったり、その後も数か月痛みが続く事があります。
すると、全身の筋力や活動性が低下し、ケガをする前の状態に戻ることが難しくなるでしょう。

一度骨折をおこしたことがある方は、続けて骨折を起こす確率も高くなります。
将来寝たきりにならないために、骨粗鬆症と骨折に気をつけていきましょう。

【参考文献】

金光 廣則

投稿者: 金光 廣則

投稿者: 金光 廣則

2009年、大阪市立大学医学部卒業後、名古屋第二赤十字病院で研修。大阪に戻りPL病院、リハビリ病院などで研鑽を積む。急性期から慢性期まで経験し、手術だけでなく在宅医療にも携わる。2021年、むつみクリニックを継承開業。