06-6686-7623

骨粗鬆症の専門外来

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ご挨拶

どうもこんにちは。
大阪市にあるむつみクリニックの院長、金光廣則 (かねみつひろのり) です。

院長、よろしくお願いします。

骨粗鬆症と言うと皆様は、
「骨がスカスカ」「骨折しやすい」
というイメージをお持ちになるかと思います。

原因としては高齢化が挙げられ、2040年には我が国において、
「85歳以上の人口は1,000万人を超える」
と試算されております。

そして骨粗鬆症の患者様については、特に女性の割合が高いです。

骨粗鬆症になっている方、女性が本当に多いですもんね。

そうなんです。
原因としては、閉経に伴う女性ホルモン (エストロゲン) の減少があります。

そして、介護が必要となる方の原因についても、
「転倒や骨折」
は、認知症や脳血管障害と同じく大部分を占めております。
介護によるご本人やご家族の負担増、社会の負担増は、今日における社会問題の1つです。

そこで当院「むつみクリニック」では開院以来、骨粗鬆症の専門外来を設置しております。

  1. 積極的に骨粗鬆症診療を行い、病態を理解するとともに治療意欲を高めていただく。
  2. 骨折を予防し、健康寿命を伸ばす。
  3. よりよい人生を歩んでいただく。

これらのことを医院の使命として、日々の診療に取り組んでいます。

ここ大阪に限らずどの地域でも、骨粗鬆症の専門医や名医、有名病院をお探しされている患者様は多いです。
僭越ながら、当院がそのような条件に該当すると断定できるわけではありませんが、骨粗鬆症でお悩みの方や気になる方にとって適切なアドバイス、診療を提供していきたいと思っております。

開院以来、骨粗鬆症で悩んでおられる多くの方に受診していただき、定期的に遠方より通院される方も中にはいらっしゃいます。

「骨粗鬆症を治療したいが、どこで診てもらえばよいかが分からない」
そうした方は、大阪市にある当院「06-6686-7623」までお気軽にお電話ください。

骨粗鬆症の原因

そもそも何で骨粗鬆症になってしまうんだろう?

説明しましょう。
まず骨粗鬆症は、「原発性骨粗鬆症」「続発性骨粗鬆症」大きくこの2つに分けられます。

原発性骨粗鬆症

原発性骨粗鬆症 (げんぱつせいこつそしょうしょう) は、主に加齢や閉経によって生じます。
また、喫煙や飲酒など生活習慣も関連します。

ふむ。生活習慣は改善していける部分ですね。

続発性骨粗鬆症

続発性骨粗鬆症 (ぞくはつせいこつそしょうしょう) は、骨に悪影響を与える薬や病気が原因となります。
代表的なものとしては、ステロイドの使用、糖尿病、慢性腎臓病、関節リウマチが挙げられます。

なるほど、骨粗鬆症のことは骨粗鬆症1つに意識が行きがちだけど、もっと多面的に考えんとね。
糖尿病にも気をつけよう…

骨密度が高い = 安心ではない

少し難しいお話になりますが、骨強度 (こつきょうど) や骨質 (こつしつ) に関するお話を。

こつきょうどやこつしつ?

順を追って説明していきましょう。
まず骨密度が低い、つまり「骨がスカスカの状態」、これは骨折しやすいです。

ふむ。それは分かりやすい。

ただし骨粗鬆症の方のなかには、
「骨密度は高い。でも骨折してしまった」
という方や、その反対に、
「骨密度は低い。でも度々転んでも骨折しない」
というような方もおられます。

つまり、骨密度の値だけで骨折のしやすさは説明できないのです。

なるほど…
骨密度さえ高ければ安心かな、と単純に考えていました。

そこで考えられたのが、骨質 (こつしつ) という概念なんです。

骨強度 = 骨密度 + 骨質

骨強度 (こつきょうど) とは、骨の強さのことです。

骨質 (こつしつ) とは、骨の構造や材質のことです。骨質は、骨強度の約30%を担っています。

骨密度だけでなく、骨質 (こつしつ) も重要ってわけなんですね。

「高齢者の骨」と「若い人の骨」を、枝に例えてみましょう。

  • 老木は、かたくて折れやすい。
  • 若い枝は、しなやかで折れにくい。

このことは、人間の骨にもあてはまります。

ふむ。
別の例えなら「見た目が同じコップ」であっても、材質が強化ガラスか一般ガラスかで、割れやすさが変わりますもんね。

その通りです。
そして糖尿病や慢性腎臓病などの疾患は、骨質を著しく悪化させてしまう事が知られています。

以上のことから、骨質が悪化しないよう、糖尿病や慢性腎臓病にも注意していきましょう。

骨折リスク評価ツール (FRAX®)

「FRAX® (ふらっくす) 」という言葉をご存知でしょうか?

初めて聞きました。
色んな言葉が出てくるな。

「FRAX® (ふらっくす) 」とは、WHOが開発した「骨折の発症リスクを評価する方法」です。
※参考文献 2。

質問事項に沿って、個人にあてはまる項目を入力していくと、
「直近10年以内の主要な骨粗鬆症性骨折、および大腿骨近位部骨折の発生リスク」
を数値で知ることができます。

FRAX®は、こちらのリンクからご利用ください。

なるほど、入力すると分かりやすい。
「今後10年以内、あなたが重度の骨粗鬆症/大腿骨近位部骨折を起こす可能性は何%か?」
を予測してくれるサイトなんですね。
※対象者は40〜90歳。

そうです。
「骨密度 (BMD) 」を入力する項目もありますが、空欄でも大丈夫ですので、皆様もスマホやパソコンから調べてみてはいかがでしょうか。

インターネット環境さえ整っていれば、いつでもどこでも調べることが可能です。

このFRAX ®の活用法ですが、日本では「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン (2011年度版) 」において、
「骨密度がYAMの70%以上80%未満で、FRAX ®で算出された骨折リスクが15%以上」
の場合を、薬物治療開始基準とすることが新たに明記されました。

ただしFRAX ®は、高齢になるほど15%を超える可能性が高くなるため、薬物開始基準として用いる場合は75歳未満の方が対象です。

骨粗鬆症の治療に際して大切なこと

「骨折くらい大したことはない」と、そう思われている方は現在も多いです。

初期段階はたいてい自覚症状がないし… 甘く考えてしまう人が多いんやね。

骨粗鬆症の治療はなぜ重要?

もし骨粗鬆症になると、背中が丸くなって身長が低くなったり、腰や背中が痛んだりします。

そして、背骨の骨折 (椎体骨折) や、足の付け根 / 股関節の骨折 (大腿骨近位部骨折) をいったん起こしてしまえば、歩行や移動能力が低下してしまいます。

骨折の起きない場合と比較して、大腿骨近位部骨折が起こると死亡リスクは約6.7倍、椎体骨折が起きると約8.6倍高まるという報告もあります。
※参考文献 1。

その結果として健康寿命が短縮し、QOL (生活の質) が低下します。

そして介護も必要となり、ご家族の負担も増加します。

自分だけのことじゃないですからね。
そうした状態を防げるように、骨粗鬆症の治療は重視しなきゃ。

骨粗鬆症の治療は地道に根気よく

若くして骨粗鬆症と診断されたり、加齢により骨粗鬆症に至った方でもあきらめる必要はありません。

薬物療法とともに食事療法や運動療法を行うことで、骨密度を高めて骨質を改善し、結果として骨強度を向上させる。
このように、「結果として骨折を防ぐこと」は可能です。

より強力な効果を持つ薬も、近年では使用できるようになってまいりました。

ただしもちろん、室内の環境調整、介護サービス、リハビリなど、(医療者だけでなく) 多職種での連携も大切ですよ。

大切なことは、あきらめずに地道にこつこつと取り組むことです。

劇的な改善は得られなくても、日々こつこつと取り組むことが生活習慣の改善につながり、運動の習慣化、適切な食事摂取 (適正カロリーの摂取) 、結果として身体機能や骨密度の上昇をもたらします。

なお「骨粗鬆症の治療」については、こちらのページでさらに詳しく解説しています。

むつみクリニックにおける専門外来の特徴

当院「むつみクリニック」における骨粗鬆症専門外来は、診断や治療のみにとどまらず、患者様ご本人にも病識を理解していただくことを重要視します。

必要に応じて、運動療法や栄養指導も行い、日常生活への指導介入を行います。

そういうところをしっかり教えてくれる病院は安心できます。

当院「むつみクリニック」は、患者様やご家族と同じ目線に立ち、治療を行うことを目指しております。

骨粗鬆症という誰にでも起こる可能性のある出来事に対して、当院は発症の前段階から予防を行います。

もし骨粗鬆症の発症に至ったとしても、当院にて早急に対応することで、骨折の連鎖 (ドミノ骨折、続発性状骨折と呼びます) を防ぎます。

骨粗鬆症は、慢性疾患です。
高血圧、慢性心不全、慢性腎不全などと同じように、一生に渡って付き合ってゆく必要があります。

骨粗鬆症およびその関連する症状に対して、診断や投薬、リハビリ、場合により手術を行うことがありますが、患者様ご自身にも以下項目に積極的に関わっていただくことが大切になります。

  1. 生活習慣を見直す。
  2. 日々の食事に気をつける。
  3. 運動習慣を身につける。

医療機関では薬物療法が中心となることが多いですが、薬物治療のみでは不十分です。
個々の患者様に応じた、テーラーメイドな医療が必要とされております。

むつみクリニックにおける診察の流れ

当院の外来では、まず問診表を記入していただきます。

また、ウェブでの問診をご希望の方は、こちらのリンクからお進みください。
当院の公式LINEからも、ウェブでの問診が可能です。

事前に問診へのご記入が難しい場合は、診察室にて医師より聞かせていただきます。

次に、腰椎レントゲンや骨密度検査 (DEXA法) を行います。

腰椎レントゲンや骨密度検査の結果から、骨粗鬆症診断ガイドラインに照らし合わせて、骨粗鬆症の診断を行います。

必要であれば、血液や尿検査で骨代謝マーカーおよび全身の状態を把握させていただきます。

上記全ての結果をふまえて、年齢や性別、生活様式 (※) などを考慮し、個々の患者様に合った治療方針を決定しております。
※独居、通院頻度、距離、家族のサポートが受けられるか、要介護度など。

なお「大阪市での骨密度検査」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

地域医療機関の医師の皆様へ

骨粗鬆症の診断、検査を希望とされる患者様がおられましたら、いつでも大阪市住之江区にある当院「むつみクリニック」へご紹介ください。

すでに骨粗鬆症治療をされている患者様についても、効果判定をすることなく漫然と薬物治療を行うことはおすすめできません。
治療効果判定のために、DEXA検査 (できさほう) を行う必要があります。

医療機関へ通われている患者様へ

DEXA検査 (できさけんさ) のために他の医療機関へ通われている患者様についても、もし当院へのアクセスが便利であればぜひご利用ください。

結果をお伝えしたうえで、引き続き今までの医療機関で治療継続していただきます。
また、既存の治療においても治療効果が認められないようであれば、内科的疾患など全身状態を考慮したうえで、薬剤変更などの必要性もお伝えさせていただく場合もあります。

こうした医療機関の連携は、結果として患者様にとって病識の理解、治療継続率の向上のためにメリットがあると考えております。

骨粗鬆症治療にあたり広く知ってもらうことが大切

骨粗鬆症の啓蒙活動において重要なことは、医療関係者も含めて多くの方の「骨粗鬆症への意識」を高め、検診率を上げて治療率の増加に導くことと考えます。

検診の結果、骨折リスクの低い方は、今後も定期的な節目年齢で検診を受けるとともに日々の生活、食事、運動を意識して過ごしていただく。

検診の結果、骨折リスクの高い方は、今までまったく骨に関して受診歴がなければ、骨粗鬆症治療に携わる医師の診察を受けるとよいでしょう。

治療を中断されている方であれば、治療継続のために定期的に骨粗鬆症外来へ通院することが大切です。

医師をはじめ多職種が関わることで、骨粗鬆症治療を展開する「骨折リエゾンサービス (OLS) 」の活動も、各地で活発化してきています。

看護師、理学療法士、薬剤師の方など、骨粗鬆症を治療するために色んなご職業の方々が連携されているんですよね。

骨折リエゾンサービスをきっかけとして、啓蒙活動や骨折予防に取り組み、市民全体の骨粗鬆症に対する病識の理解を高め、結果として健康寿命を延ばすことにつながると考えています。

最後に

骨粗鬆症の治療の柱である運動療法や食事療法は、他の生活習慣病 (高血圧、肥満、腎臓病など) にとっても役立ちます。

そして、骨粗鬆症の治療だけに時間や精神を費やすのではなく、治療をする過程で、
「日常生活を楽しむ精神的余裕」
も大切にしていきましょう。

心の健康も大事にしながら、元気な体を維持して、明るく楽しい人生を歩んでいきたいですね。

【参考文献】

  • ※1 Cayley JA,et al.: Osteoporos Int.2000;11(7): 556-561
  • ※2 Klotzbuecher CM et al.Patients with prior fractures have an increased risk of future fractures: a summary of the literature and statistical synthesis.J Bone Miner Res.2000;15: 721-39
  • 寺元秀文他; 行政と連携した骨粗鬆症の予防、治療の普及と継続への取り組み.The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.8 No.2 2022.130-134
  • 石川哲大; 多職種連携による骨折予防への取り組みの実際. The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.8 No.2 2022.135-139
金光 廣則

投稿者: 金光 廣則

投稿者: 金光 廣則

2009年、大阪市立大学医学部卒業後、名古屋第二赤十字病院で研修。大阪に戻りPL病院、リハビリ病院などで研鑽を積む。急性期から慢性期まで経験し、手術だけでなく在宅医療にも携わる。2021年、むつみクリニックを継承開業。